妊娠中に刺身がダメな2つの理由とおすすめの魚の食べ方
当サイトで掲載されている商品には、一部プロモーション及び広告が含まれます。
妊娠中に食べない方が良いと言われている刺身。その要因となる2つの理由と、実際に魚を食べる時のおすすめお食べ方を解説しました。
photo by [puamelia]
食中毒のリスクが高くなっているから
妊娠中はホルモンバランスが変化する事で、妊娠前に比べて免疫力が低下している時期です。生魚には様々な食中毒のリスクとなるものが含まれていますが、免疫力が弱まっている妊娠中は、これらの食中毒への感染リスクが高まるため避けた方が良いとされます。
刺身を食べる事での代表的な食中毒には、次のようなものがあります。
腸炎ビブリオ
強い腹痛と下痢や発熱を起こす食中毒で、特に夏場に多いタイプです。通常は2〜3日程度で自然回復しますが、免疫力が弱まっているタイミングになってしまうと敗血症等も発症してしまう場合もあります。
真水に弱く加熱処理で死滅しますので、調理前に真水で魚を洗い十分加熱する事で感染リスクを激減する事ができます。
アニサキス
寄生虫の一種で、サバ・カツオ・イワシ・サケ・イカ・アジ・サンマ等の多く寄生しています。寄生した生魚を食べる事で感染し、みぞおちや下腹部辺りの激しい痛みや嘔吐等があります。
感染してしまった場合には、胃に存在する場合は内視鏡等で摘出、腸に存在する場合にはアニサキスが死滅(1週間程度)を待つか、腸閉塞等を起こしてしまっている場合には手術が必要となる場合もあります。
アニサキスの予防法は、魚を中心部まで完全に加熱するか、マイナス20℃以下の環境で24時間完全冷凍するかのいずれかです。また、魚の内臓に多く存在しているため、加熱した上で内臓を食べる事を避けるという方法がさらに有効となります。
水銀摂取の可能性が高くなるから
自然界に存在している「メチル水銀」は、どの魚にも含まれているもの。妊娠前であれば、多少含まれていても自然排出されていましたが、妊娠中は胎盤をとおして水銀が赤ちゃんへと蓄積してしまうリスクがあります。
基本的に水銀量が多い魚はマグロ等の大型の魚です。これは、食物連鎖の法則によって小さな魚に含まれていた水銀を、大型の魚が食べる事によって蓄積されやすくなるため。また、深海魚にも比較的多く含まれています。
厚生省のページでも紹介されているとおり、過剰に心配する必要はないものの、水銀が多い魚を偏って食べたりしない等の工夫は必要となります。
おすすめの魚の食べ方
魚によるこういったリスクを減らす最もシンプルな食べ方は加熱する事です。水銀リスクは、魚の種類を選ぶ必要がありますが、食中毒リスクはほとんどの場合加熱する事で解消されます。
一方で、加熱する事での問題点は魚ならではの良質な栄養を消失させてしまう事。
魚介類(クジラ類を含む。以下同じ。)は、良質なたんぱく質や健康に良いと考えられるEPA、DHA等の高度不飽和脂肪酸をその他の食品に比べ一般に多く含み、また、微量栄養素の摂取源である等、健康的な食生活にとって不可欠で優れた栄養特性を有しています。
この中でも紹介されいているDHA/EPAは、とてもデリケートな油(不飽和脂肪酸)で簡単に酸化してしまいます。当然、熱にも弱く酸化を加速させてしまうため、DHA/EPAの摂取を求めるなら「刺身」で食べる方が良いです。
加熱しないと食中毒にリスクがあり、加熱すると良質なDHA/EPAが失われてしまうという矛盾。そのため、「魚からDHAを摂取する効果と同じ」であるサプリメントを、適度に利用する事がおすすめとされています。